米軍属の暴行殺人事件に抗議する沖縄キリスト教学院の声明文

 “良き隣人”を装う一方で沖縄を蔑む部隊内研修が基地内で行われている実態があります。“軍律”に基づく行動規範の弛緩が如何なる惨劇を惹き起すかは、戦前・戦中の日本軍の行為と戦後の駐留米軍が犯した数多の犯罪が雄弁に物語っています。

 そもそも沖縄の悲劇は、人権に頓着しない駐留米軍を沖縄に押し付け、少数者の犠牲の上に安住するこの国の国民の品性と沖縄を“地政学的要衝地”と見立て、その虚構に固執する政府の姿勢に根源的原因があります。

 細やかな団欒さえ許されず、突然に襲いかかる恐怖に為すすべもなく立ち竦む沖縄。憲法で定める基本的人権は日本人ならば均しく享受できるはずが、沖縄は蚊帳の外に捨て置かれる現実。これら全てが超法規的とも言える日米地位協定を容認し、主権国家の矜持を放棄する日本政府に最大の責任があります。

 沖縄に住む全ての人々が党派の思惑を越えて一致団結することこそ、沖縄の置かれている不条理に立ち向かう賢明な選択であり行為と言えます。沖縄キリスト教学院は、イエス・キリストの教えに基づいた平和の希求と隣人愛を建学の精神に掲げています。今こそ思いの丈を駐留米軍と日米両政府に突き付ける時です。ここで、本学院を代表して学生、教職員に県民大会への参加を呼び掛けます。

2016年6月15日

 
学校法人沖縄キリスト教学院
   理事長 神山 繁實
沖縄キリスト教短期大学
沖縄キリスト教学院大学
   学 長 友 利  廣
沖縄キリスト教平和研究所
   所 長 大 城  実