2016年度卒業式を挙行しました

2016年度沖縄キリスト教短期大学、沖縄キリスト教学院大学の卒業式および大学院修了式を3月15日(水)に挙行しました。

証書の授与

証書の授与

会場の様子

会場の様子

告辞を述べる学長

告辞を述べる学長[メッセージ

宗教部長による聖書朗読、祈祷

宗教部長による聖書朗読、祈祷

 

<告辞>

沖縄キリスト教学院大学 沖縄キリスト教短期大学
学長 友利 廣

沖縄は今、緑の芽吹きに覆われています。そのなかで沖縄の心意気を誇示すかのようにスカーレット・レッドの緋寒桜が咲き誇っています。このような清々しい季節を迎えた本日ここに、多くの皆様のご臨席を賜り2016年度沖縄キリスト教短期大学、沖縄キリスト教学院大学、並びに大学院の卒業式・修了式を挙行できますことは誠に慶びに堪えないところであります。

さて、本日晴れて2016年度卒業式・修了式を迎える皆さんは、沖縄キリスト教短期大学英語科57名、保育科120名、沖縄キリスト教学院大学英語コミュニケーション学科84名、大学院異文化コミュニケーション研究科1名の合計262名であります。ここで改めて、今日のこの日まで皆さんを暖かく励まし支えて下さったご両親、ご家族、教職員、そして学友への感謝の気持ちを忘れることなく、社会人として羽ばたくことを切に願う次第です。

ところで、卒業生の皆さんはそれぞれの学びによって総合的思考力と批判精神、更には異文化交流や多様な社会経験から現場感覚に基づいた判断力の獲得に努めたことと思います。そこで、これから社会人となりそれぞれの檜舞台でしっかり活躍して頂くことを願って皆さんに三つのメッセージを贈りたいと思います。

最初のメッセージとして、沖縄キリスト教学院の創設に込めた先達者達の思いをしっかりと受け止めて継承して頂きたいということです。今少し説明します。

本学院は首里の龍潭の池から程なく離れた当之蔵の地に佇む首里教会を仮校舎に小さく始まりました。それから五十九年の歳月が流れ、今や短期大学に四年制大学と大学院、更には沖縄キリスト教平和研究所を擁する高等教育機関となっています。その原点となっているものは学院創設代表者の仲里朝章牧師の言葉によるものですが、ここで沖縄キリスト教学院開校の辞を確認したいと思います。

「曾て太平洋上の孤児と呼ばれた沖縄が今日国際的の島として政治経済文化あらゆる面で一大変化をなしつつあるのは実に不思議な摂理であります。しかし複雑にして矛盾の多い現在の沖縄を国際的平和の島にするには是非ともキリスト教文化が基礎をなさねばならぬことは世界史の教ふる真理であります。そこでわれらは新しい沖縄の建設に直面してキリスト教の精神を身につけた人材の養成が緊要であることを確信してこの学校の設立をしました」。

以上が、開講の辞でありますが、聖書の教えるところの平和の担い手は、寛容さと隣人愛を求めているのであります。沖縄はかつて塗炭の苦しみを強いられた沖縄戦からそれを学び取っているのです。そこに「国際的平和の島にするには是非ともキリスト教文化が基礎をなさねばならぬことは世界史の教ふる真理であります。」と言う仲里朝章牧師の吐露する言葉を謙虚に汲み取らなければならない、と思っている次第です。

次に、皆さんは学問的研鑽に加えて様々な社会経験を通した現場体験から、物事を深く考える力を育んできたものと思います。ここでサミュエル・ウルマンの詩集「青春の詩」の中の一編「青春」を格調高い岡田義夫訳で紹介したいと思います。この有名な詩を紹介する前にウルマンについて簡単に説明しておきます。彼はユダヤ系ドイツ人ですが幼年期にユダヤ人迫害に遭いアメリカへ移住した方です。それでは少し長くなりますが読み上げます。

「青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ぞける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心,こう言う様相を青春と言うのだ。年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。苦悶や、狐疑、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。曰く「驚異えの愛慕心」空にひらめく星晨、その輝きにも似たる事物や思想の対する欽迎、事に處する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。

人は信念と共に若く
人は自信と共に若く
希望ある限り若く 

疑惑と共に老ゆる
恐怖と共に老ゆる
失望と共に老い朽ちる

文面はまだ続きますが、これは皆さんにとって大いなる激励の言葉ではないでしょうか。私達は意識することにより、遭遇するやも知れぬ障壁を乗り越える経験知を磨くことができます。経験知は思考と行動の有機的繋がりを通して目標実現を手元に手繰り寄せることに役立ちます。皆さんには、このウルマンが語り掛ける言葉を受け止め、様々な舞台で活躍する際の礎にして頂きたいと思っています。

これまでの言葉を踏まえて最後に私自身が指針にしている聖書の「ローマの信徒への手紙第5章3節から5節」のみ言葉を贈ります。

「わたしたちは知っているのです。苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。希望はわたしたちを欺くことはありません。わたしたちに与えられた精霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからです。」。

メッセージを終えるに当たり皆さんが社会のそれぞれの檜舞台で存分に活躍できますことを心より祈念し学長告辞と致します。

2017年3月15日


今年度より、新たに「沖縄キリスト教学院学長賞」を設け、在学中において本学の社会的評価を高める顕著な功績があった学生に授与されました。

沖縄キリスト教学院大学からは人文学部英語コミュニケーション学科卒業生の照屋盛治さん、沖縄キリスト教短期大学からは保育科の翁長志帆さんの2名に、友利学長から表彰状と記念品が贈られ、在学中の努力と成果を称えました。

おめでとうございます。

学長賞表彰を受ける照屋盛治さん

学長賞表彰を受ける照屋盛治さん

学長賞表彰を受ける翁長志帆さん

学長賞表彰を受ける翁長志帆さん

 

答辞を述べる卒業生代表 宮城杏寿さん

答辞を述べる卒業生代表 宮城杏寿さん(沖縄キリスト教学院大学人文学部英語コミュニケーション学科) [メッセージ

答辞を述べる卒業生代表 徳里舞花さん

答辞を述べる卒業生代表 徳里舞花さん (沖縄キリスト教短期大学 英語科)

 

<卒業生メッセージ>

沖縄キリスト教学院大学 人文学部 英語コミュニケーション学科
卒業生代表 宮城 杏寿

「卒業生挨拶」

 柔らかな日差しと共に、草花の蕾が開き春を感じられる今日の良き日に、私たち卒業生の為にこのように盛大で心温まる式典をご用意くださり、誠にありがとうございます。御臨席を賜りました友利学長をはじめ、ご多忙にもかかわらずご出席くださいましたご来賓の皆様、諸先生方、並びに関係者の皆様、卒業生一同、心より御礼申し上げます。

 思い起こせば四年前、新たな環境で学ぶ期待と不安を胸に抱き、入学したあの日から瞬く間に歳月が過ぎ去りました。勉学やサークル活動、そして年間の行事を通して、新しい場所でたくさんの人と巡り逢い、その出会った仲間と共に、楽しく学ぶことができたのは、入学から今日のこの日まで暖かく私たちを指導してくださった諸先生方や、職員の方のサポートがあったおかげです。この出会いは、それぞれ別々の道を歩む、私たちのこれからの人生の宝となるでしょう。

 本学院に入学し、様々な国の文化を学ぶと共に、私たちが住むこの沖縄についても学ぶことができ、一人の人間として生きていく上で多くの貴重なことを身につけることができました。自分たちの美しい文化を大切にしながら、国際化が進むこの社会の中で、価値観の違いを受け入れ、新たな視野を広げることの大切さを学ぶことができたのは、私たちの個性を尊重し、多くの事を学ばせてくださった、本学院でなければ、得られなかったものと思われます。

 いま、各地で、テロや人種、宗教に関わる問題が起きています。国際化が進み、大きく変わっていく社会の中で、その変化に私たちの考え方や、心が追いついていないのではないのでしょうか。これからの社会をよりよくする為にも、他者の考え方を受け入れ、相手を思いやることが、私たちには必要だと思います。平和で穏やかな社会を作る為にも本学院で学び得た信念と、この場所で学ぶ事ができた誇りを胸に、それぞれの道を歩んでいく所存です。

 最後となりましたが、未熟な私たちと真剣に向き合い、丁寧に優しく、時に厳しく愛情を持ってご指導下さいました諸先生方、親身になって暖かくサポートしてくださった職員の皆さま、経済的にも精神的にも私たちを見守り、卒業のこの日まで支えてくれた家族、並びに本日ご列席の全ての皆さまに心より感謝申し上げます。On behalf of all graduating students, I’d like to express my sincere gratitude. Thank you. 皆さまのご多幸と、沖縄キリスト教学院大学の益々の発展を祈念し、卒業生代表挨拶に代えさせていただきます。


卒業式の様子

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♪ご卒業おめでとうございます♪