学長メッセージ

建学の精神を拠り所に知性を磨き可能性の開花を
-本学院の教育はキリスト教,沖縄,平和にこだわる-
友利 廣 学長

沖縄キリスト教学院大学
沖縄キリスト教短期大学
学長 友利 廣

 人材育成を使命とする大学にあっては、教育の原点を建学の精神に求めることは至極当然のことであります。戦災の爪痕が此処かしこに残る戦後の激動期に設立された沖縄の私立大学であれば尚更と言えます。ここで沖縄キリスト教学院が建学の精神に寄せた思いを皆さん共々確認することから始めます。
 万国津梁なる至言は大交易時代を実現し隆盛を極めていた15世紀半ば頃の時代文脈を巧みに現したものであり、それを梵鐘に刻み継承してきたものです。そこに刻まれている精神は世界の架け橋を標榜したいとする小国琉球の気概を体現したものだが、同時に平和を希求する思想が底流に流れています。
 かつての津梁の精神を今再び沖縄の道標として登場させ、この地を平和の緩衝地帯にする構想は、本学院創設代表にして初代の理事長と学長を務めた仲里朝章牧師が、建学の精神に寄せた思いでもある「国際的平和の島」構想と通底するものがあります。
 学院史を紐解くまでもなく、本学院はイエス・キリストの教えを大学運営の枢軸に据え、平和の創り手の養成を通して社会へ貢献することを建学の精神に謳い、実践して参りました。そこには苛烈を極めた沖縄戦で多くの学徒を犠牲にしたことへの無念の思いがあり、更には、戦後処理の過程において日米の思惑に翻弄され、不条理とも言える分離統治を余儀なくされてきた沖縄の特異な歴史が教訓として反映されています。本学院が掲げている建学の精神の重要性を説く意味はそこに在ります。
 沖縄キリスト教短期大学と沖縄キリスト教学院大学を学び舎とする皆さんには、本学院が歩んできた歴史に想いを巡らし、そこから本学院への誇りを育み、そして与えられた舞台で存分に活躍できる知性の涵養に励んで頂くことを切に願っています。
 最後に、聖書の言葉を贈ります。「困難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生む」ローマの信徒への手紙、第4章3節から5節、新共同訳より。

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