沖縄キリスト教学院大学・沖縄キリスト教短期大学 理事長就任式

沖縄キリスト教学院大学・沖縄キリスト教短期大学

 

理事長就任式

 

2017年11月27日、沖縄キリスト教学院大学、沖縄キリスト教短期大学の理事長に伊波美智子氏が就任しました。
任期は2020年10月20日までです。

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理事長就任のご挨拶

 

 この度、沖縄キリスト教学院第10代理事長に就任しました伊波でございます。今日は、ご多忙な折りにも関わらず、多くの方々に御出席を賜り、ありがとうございます。

 

 今日は本学院の理事長としての召命を、平良修教区議長を通して、この学院の真の創立者である私たちの主、イエス・キリストからいただき、不思議な神の御導きに心震える思いでおります。

 

 この度の理事長就任にあたって、多くの方々から「おめでとう」とのお言葉が寄せられましたが、正直のところ、どうお答えしたらよいのか戸惑っております。ただ、「お祈りください。」とお願いするのみです。

 

 今日の就任式あいさつの拠り所とするみ言葉は、申命記3章8節を選ばせていただきました。これは、モーセに率いられてエジプトを出たイスラエルの民が40年間荒れ野を旅した後、主に導かれて約束の地、神の賜わる良い地に入ろうとするにあたって示された啓示です。

 

主はあなたを苦しめ、飢えさせ、あなたも先祖も味わったことのないマナを食べさせられた。人はパンだけで生きるのではなく、人は主の口から出るすべての言葉によって生きることをあなたに知らせるためであった。(申命記8:3)

 

 傍からみればみすぼらしい集団です。訓練された軍隊があるわけでもなく、不平や愚痴ばかりこぼしています。しかし、紡ぐでも耕すでもないのに、40年間も荒野で生かされました。主はマナをもってこの民を養われ、着物は古びず、足がはれることもありませんでした。まさしく奇蹟です。

 

 イエス様は、神の国の福音宣教を始めるに先立ち、荒れ野で四十日四十夜断食された後、まず「神の子なら、これらの石がパンになるように命じたらどうだ。」とサタンから誘惑されました。しかし、イエス様はお答えになりました。

 

 「『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』/と書いてある。」(マタイによる福音書4:4)

 

 人は弱いものです。パンとは、現代でいえばお金にあたります。お金さえあればなんでもできる、と思っている人たちが多いのです。個人ばかりではなく、組織・団体においてもそうです。

 

 一般的に言えば、理事長に期待されていることは、組織にお金をもってくることです。この意味において、私は理事長としてもっとも似つかわしくない人間です。しかし、主は、理事長に似つかわしくないからこそ、弱い者だからこそ、私をここに立たせてくださっているのでしょう。

 

 そんな私に主は聖書のみ言葉を示してくださいました。

 

ある夜のこと、主は幻の中でパウロにこう言われた。「恐れるな。語り続けよ。黙っているな。わたしがあなたと共にいる。だから、あなたを襲って危害を加える者はない。この町には、わたしの民が大勢いるからだ。」(使徒言行録18:9-10)

 

 このみ言葉の通り、私は多くの方々の祈りに支えられ、学院の皆様に笑顔で迎えられました。去る10月の理事会で理事長に選任されてから1か月、私は不思議な平安に満たされています。この学院が直面しているさまざまな問題、なかでも学院が存続していくためのパン、すなわち財政的な問題が理事及び理事会の課題として目の前に大きく横たわっているのにも関わらずです。

 

 この大学は、全国に数多くあるミッション系の大学の中でも特異な大学です。それは、熾烈な沖縄戦を経験した信徒と教会の、平和を願う祈りから生まれたからです。また、大学名に「キリスト」を掲げているのは国際基督教大学などわずかで、5本の指にも足りません。

 

 「キリスト」「沖縄」「平和」の建学の精神は、学院の大きな誇りです。全国の中でも小さい沖縄、小さい大学だからこそ、主の恵みが豊かに注がれていることを感謝します。

 

私にとって、理事長職は試練、大きなチャレンジであり、また恵みでもあります。

 

 今、大学は転機に立たされ、大学を支える教会も弱っています。しかし、このような時だからこそ、残りの者としての使命を果たし、「恐れるな。私はいつもあなたと共にいる。」と励ましてくださるインマヌエルの主に依り頼み、歴代の理事長の足跡を踏みしめながら、与えられた使命を果たしていきたいと思います。

 

 どうぞ、沖縄キリス教学院のためにお祈りください。最後に、聖書のみことばを持って、私の拙い挨拶を終わりたいと思います。

 

希望の源である神が、信仰によって得られるあらゆる喜びと平和とであなたがたを満たし、聖霊の力によって希望に満ちあふれさせてくださるように。(ローマの信徒への手紙15:13)