中村哲氏を偲ぶ

【掲載日】2019-12-09

12月4日、ペシャワール会現地代表の中村哲氏がアフガニスタンで銃撃され亡くなられました。中村氏は今年9月7日、沖縄キリスト教平和総合研究所の開設10周年記念講演会のために来沖し、「アフガニスタンに命の水を」と題してご講演くださいました。
中村哲医師は、「薬では渇きや飢えは癒せない、必要なのは清潔な水だ」ということで、自ら土木工学を学び、砂地を緑の大地に変えるという、医師の枠を超えた働きをなされました。また中村氏はこのようにも語っておられます、「大事なことは生きることです。命こそ大事です。必要なのは武器や軍隊ではありません」と。そのことは沖縄戦で多くの尊い命が奪われた沖縄の「ヌチドゥ宝」に相通じるものです。中村哲医師はまさに現地の人と「共に生きる」方だと思います。汗まみれになり、仕えられるのではなくアフガンの人たちに仕えることに徹底された、「キリストの香り」を放ち続けたキリスト者だと思います。
講演会に参加された複数の方から「現地アフガンで、外国人としてできることはするけれど、自分の価値観や正義は絶対に押し付けないという姿勢に感銘を受けた」という感想が寄せられています。
謹んで哀悼の意を表します。

沖縄キリスト教平和総合研究所 所長 内間清晴

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