2022年度 入学式が行われました

沖縄キリスト教短期大学 第66回
沖縄キリスト教学院大学 第19回

入学式が行われました

 

2022年度 沖縄キリスト教短期大学、沖縄キリスト教学院大学の入学式が4月1日(金)に挙行されました。

 

 


 

 

式   辞

沖縄キリスト教学院大学
沖縄キリスト教短期大学

学長 金   永秀

 

新入生の皆さん。沖縄キリスト教学院大学・沖縄キリスト教短期大学にようこそ。本日はご入学おめでとうございます。又、ご家族、ご親族のみなさまにお祝いの言葉を申し上げます。

新入生の皆様のこれからの2年間、又は4年間の学びと生活がイエス・キリストの主なる神によって豊かに祝されますように、心からお祈り申し上げます。

本日、この式典の最初に聖書の一節、「ヨハネによる福音書8章が朗読されました。

「真理は、あなたがたに自由を得させるであろう」この言葉は、伝統的にこの学院の入学式で読まれてきた言葉です。おそらく、これからも、毎年読まれ続けることになると思います。

最初に「真理」という言葉が出てきます。ハーバード大学をはじめとして世界中の大学の多くが、本日の聖書の言葉、「真理」(ラテン語:ウェーリタス)を追究することを使命にして建てられました。多くの大学の校章にウェリータスという言葉が記されております。日本でも、東京にあります国会図書館の入口にこの聖書の言葉「真理はあなた方を自由にする」がきざまれております。大学は、真理を求める歩みを大切な使命としてきました。

皆さん方は真理とは何かということを考えたことがあるのでしょうか。高校までは全てのことに答えが一つであったのではないのでしょうか。数学の答えも。漢字の書き方、読み方も、歴史の年代もほぼ決まっている。英語の翻訳までもが先生によってほぼ決まって答えられている。そのようなことが教えられてきたと思います。

たった一つの真実しかないと思い込むようなあり方に対して、マリア・レッサという(2021年のノーベル平和賞)フィリピンのジャーナリストが危惧しています。彼女は命をかけてフィリピンの報道の自由のために戦った人です。ロシアの77%の人がロシア政府のプロパガンダによってプーチンを信じて、ウクライナへの戦争と彼を支持するという状況。うそと欺瞞に満ちた報道や、S N Sの利用を危ぶみます。

私も、40年以上も前に大学に入学しました。以来、学べば学ぶほど、物事の答えは一つではない、単純ではないことが多いということに気付いてきました。それがまた、学びを深めることに繋がりました。

学ぶということは、むしろ、真理を追求する努力の過程や関係性の中で発見される「何か」ではないかと気づくようになりました。大学は学ぶ努力をするところです。友人達と語り合い、助け合い、共有し合う仲で気づく何かです。本当の答えは単純に割り出せるものではないのです。

「ある人が何故、このような答えを出すのか」ということを考えても、「いつ」出したのか、「どこで」出したのか、「どのような立場にいるときに」出したのか。同じ人の答えが時期が違ったり、状況が違うと別の答えのことが多い。

沖縄キリスト教学院大学、沖縄キリスト教短期大学の創設者もまた、単純な政府のいうことを信じてしまった人です。77年前の太平洋戦争・沖縄戦、日本の戦争は「聖戦」と信じてしまった。教え子を99名も沖縄戦の戦場に送り出してしまった人です。ほとんどが戦死しました。沖縄全体が焼け野原になった。そのようなことへの悔い改めから始まったのがこの大学・短期大学です。

学んでください。そして、答えの奥にある真実・真理を引き出してください。そのような中から、皆さんの人生が深くなる。保育をするときの子供に対する見識が深くなる。沖縄社会が豊かになる。世界が近くなる。そのことが実現しますように共に頑張りましょう。共に学びましょう。

本日は、ご入学誠におめでとうございます。